深海とは
深海とは、一般的に植物プランクトンが光合成で必要とする太陽の光が届かなくなる水深200mより深いところを言います。海洋の平均の深さは水深3,730mで、水深200m以深の深海と呼ばれる部分は海洋の90パーセントを占めます。地球上での最深部は、西部太平洋マリアナ海溝の水深約10,920mとされています。
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深海はどういうところ?
深海は、「高圧」、「低温」、「暗闇」という過酷な環境です。
高圧の世界
圧力(水圧)は、10mもぐるごとに1気圧ずつ増えていきます。水深1,000mで約101気圧、水深6,500mでは約651気圧で、1センチ平方メートルに約650キログラムの力がかかります。小指の先にお相撲さん4人ぐらいが乗るくらいになります。
低温の世界
深海は太陽の光が届かないので、寒い世界です。
深海の温度(水温)は、水深1,000mぐらいで、2~4℃となり、それより深い深海でもほぼ一定です。しかし、日本海では、水深300mぐらいから水温が1℃をきり、0.数℃の世界になります。
暗黒の世界
深海は太陽の光が届かないので、暗闇の世界です。太陽の光は、人間の目で感じる範囲ですが、通常水深200~300mまでしか届きませんが、海のきれいな晴れた日の海域では水深400~500mまで光を感じることができます。しかしその先は、「暗黒の世界」となります。
音の世界
水中では、電波は減衰してしまい使用できないため「音波の世界」となります。クジラなどの海棲哺乳類は音を使い長い距離の会話をしているといわれており、人間も音波で海底の調査を行ったり、潜水船と船との間の通話などを行ったりしています。
深海にはどうやっていくの?
一般の方々がスキューバダビングで潜れるのは、せいぜい水深30mぐらいでしょう。体を鍛えても水深100mぐらいまでで、実際生身の人間が水深200m以深の深海に行くことは大変難しいことです。現在深海の調査には、TVカメラや手の役割をするマニピュレータを搭載した無人探査機などの水中ロボットが用いられるのが一般的ですが、直接目で観察することの重要性から人間を乗せて深海へ行く有人潜水調査船が世界各地で活躍しています。日本には、現在世界一の潜航能力(最大潜航深度6,500m)をもつ「しんかい6500」があり、日本近海だけではなく、太平洋から大西洋、さらにインド洋の深海調査を実施しています。
深海底はどんなところ?
海底は、陸上と同じように山もあれば谷もあります。深海底にないものは、人間が作ったビルなどの人工物と草木である植物です。急な崖があったり、割れ目のようなもの、冷えて固まった複雑な形をした溶岩も見ることができます。また、陸上では見ることのできない大規模な溝(海溝)や山脈(海嶺)が見られるのも深海底の特徴です。
深海底の様子
深海の生物たち
深海には、餌が少ないため、あまり生物がいないといわれてきました。
実際に、エネルギーをなるべく消費しないようにゆっくりとした泳ぎをする魚たちが観察されています。代表的なものは、ソコダラ類やギンザメ類です。三脚魚と呼ばれるナガズエエソは、3本の長いひれで海底に立って、泳がずにじっとしていることが多い魚です。反面、餌が少ないため活発に動く生物もいます。サンゴ礁などの浅い海でよく観察されるナマコ類は、浅海ではあまり動かない印象がありますが、深海では餌を求め、とび跳ねたり、泳いだりします。
熱水噴出孔生物群集
1977年、米国の潜水調査船によって海底から熱水が噴出している光景が初めて観察されました。その周りには、見たことのない多くの生物が生息していることも発見しました。このような熱水噴出とその周りの生物のあつまり(熱水噴出孔生物群集)は、その後世界各地で発見されています。
太陽の光の届かない深海底では、光合成はできず、そのかわり海底から湧き出す熱水や湧水に含まれる硫化水素やメタンなどの化学物質を「化学合成細菌」が酸化し、生命活動のエネルギーを獲得し、栄養となる有機物をつくり出すという化学合成生態系が存在します。